第13回東日本合気道つくり競技大会について

2025年5月17日、第13回東日本合気道つくり競技大会を開催しました。
その模様をお伝え致します。
1.大森 竜一師範 開会の辞及び審判長(代理)注意

「昭道館合気道の特徴はつくりにある」と富木先生が残された言葉の中でしばしば、そういう言葉が出てきます。練習体系の中に「つくり」があるのに、乱取の試合では全くそれが見られないとなるとこんなに勿体ないことはないということで、東日本地区の独自のルールを模索してやり始めたのがきっかけであります。
「つくり競技大会」その名前の通り「つくり」に焦点を当てています。
皆様のご存知の通り、「当身技本体のつくり」は打ち込んだ時点で「剣」の利合です。「関節技のつくり」は「柔」の利合です。タイミングよく相手が固着した瞬間の「起こり」「突きたる」「引きたる」「応じたる」状態の中、技に結び付くような自分の状態が安定している状態で「勝機」を捉えた場合、「有効」となります。ですので、近場からの当身技は崩さない限り「有効」になりません。
「関節技のつくり」ではつくった時点で「有効」となります。本来技の中で崩しは含まれているものですが、そこをかみ砕いて下の方から実力を底上げとして考えてつくりました。強引に技をかけるのではなくタイミングよく相手を崩すというところに焦点を絞って頂きたいと思います。そうすれば、その延長戦上で技がかかるものと存じます。
徒手側は当身技に置いて補助手無しで行います。正面当てなどで背中に補助手使って技をかけても無効技になります。一点一方向にかけれるようにして下さい。担当側も力任せにこらえるのでなく、「移動力」で防ぐというところに重点を置いていますので短刀を持っていない方での防御は反則になります。そのため、技は大変かかりやすくなってしまいます。相手の全体を見て手刀合わせの要領で相手の先を外すようにすれば防げると思います。徒手も短刀も「移動力」で制する本来の合気道を目指した内容となっていますので是非とも昭道館合気道の良さを発揮して頂きたいと思います。
つくり競技









演武競技 有段の部・無段の部









表彰

森川 純治先生(養氣會 主宰)による講評

大きな怪我がなくいい大会でした。全体的に観るとつくり競技は開催設立当初(2014年)からだいぶ進化してきたというのが伺えました。始まった当初より防御の手が出てしまったりしました。返し技も前に比べており積極的にチャンスをつくれるようになってきています。偶然にタイミング良くかけれるときもありますけど、動きがいいからタイミングよく動けるのであって、頑張りすぎてしまうとタイミングを失してしまうことがあります。頑張ってしまう人は足が止まった瞬間に技をかけらてしまう。それが多くみられた。短刀側であってもいかに移動力で捌くというのが大切です。今回のつくり競技だとそれが返し技に繋がっています。片手で防御するため、力によると当然力に強い人に負けてしまいます。そうならないようにバランスを上手く取ってればこらえることも返すこともできます。そこを研鑽するともっと技が出てきます。普段の稽古からただ技をかけるのでなく、この間のボクシングの大会(2026年5月2日井上尚哉対中谷潤人スーパーバンダム級4団体統一戦)でも、いかに有名な選手が実力を試合に出せているかというところですが、いかに回数をこなしているかというのを考えてほしい。我々でいうところの打ち込み(当身本体のつくり)をしている訳ですね。ストレートにしても何万回何千回打ち込み、同じストレートでも色々なタイミングでしていました。タイミングを変えていかにやっているかが非常に分かる試合でした。我々も学ぶところがいっぱいあります。良いところがあったらそれを膨らませることを意識することです。それに合わせてこらえる方も応じますから、お互いに切磋琢磨してレベルがあがります。今日の大会を観るとその傾向が観られますので是非つなげてやって頂くと更に発展していくと思います。
演武の種目は基本技ですが、基本が崩れているとやっぱりだめなんですね。自分なりのやり方をしてしまうとそこで応用になってしまいますから、正中線や手の内を使うことやタイミングと方向性をしっかりやらないといけません。乱取の基本技は皆さんできていますから、それも同じように与えられた課題をできるようになるといいと思います。特に有段者はバラつきがありました。もう少し一体感が欲しい。乱取があそこまでできるということは考え方を変えると(演武も)できるはずです。考え方が「形」と「乱取」に分けてやっている節があります。返し技もたくさんできます。演武の方も練ると体が覚えていきます。富木先生が「形と乱取は両輪の如し」という言葉を残されています。続けていくと体が覚えていきますから自分の体感でできるようになります。今年の夏はポーランドで世界大会があり、学生は全日本大会に向けて頑張って欲しいと思います。
つくり競技を行うことに対しての意義
「合気道つくり競技大会」とは、初心者の方には乱取競技の入口として安全に乱取競技の疑似体験が出来るように、ベテランの方には乱取競技の理想的なかたちの追求と実力養成の為の競技の場として大いに研鑚して頂くために、また昇級審査に採り入れられている「当身技本体のつくり」と「関節技本体のつくり」をより活かせる場として「合気道つくり競技大会」として新たに設けられた大会です。自由意思による攻防の中で、技の「つくり」の部分をより意識的に繰り出すことが出来るように考案された競技であり、安定した体勢で一瞬の勝機を捉えて相手を崩すことを重要視した昭道館合気道の特徴を生かした競技と言えます。
「合気道つくり競技」は 2012 年 12 月 9 日に行われた第 1 回東日本合気道競技大会における種目別混合団体戦の中の 1 種目として種目化され、その後 2014 年 5 月 18 日に「第 1 回東日本合気道つくり競技大会」として競技化され、今日に至っています。
ルール
時間:前後半各60 秒
・短刀側はソフト短刀による攻撃をし(突きポイント=1 点)、徒手側は短刀突きを捌きながら勝機を捉えての当身技(補助手無しの一点一方向による施技)もしくは関節技のつくりから始まる施技とします。なお、本来つくりは技の中に含まれているものなので、移動力を伴いながらの崩しが見られる技(例えば「引倒」や「隅落」等)は審判がつくり競技の施技の仕方として妥当であると判断した場合には、その効果を認めます。
・当身技は1足一刀の間合いからタイミングよく打ち込めた(勝機を捉えた)時点で有効(2点)とし、更に相手崩すす、もしくはコントロール(移動させる)した場合は技有(4点)、倒した場合は一本(8 点)とします。なお、近間からの当身技はコントロールをした時点で有効とします。
・関節技のつくりは肘持ちのつくりの体勢が整った時点で有効とし、およそ 2 秒間の制御で技あり、つくりの状態から技に入り倒すもしくは制御した場合は一本とします。
・短刀側の防御は移動および短刀を持った手を使用した離脱のみとします。但し返し技にて反撃することは認めます。
